1月2日、不意に思い立って、実家を後にし、東京・三鷹市に向かいました。
初詣をかねて、今年、生誕100年を迎える太宰治の墓参に行きたくなったのです。
我が実家は、西武コンツェルンの城下町にございますので、まずは西武に乗らないことには始まりません。
それにしても、西武鉄道、昨年の東京メトロ副都心線開業と乗り入れにともなって、車輌も行き先も豊富になりました。所沢駅で、「快速 渋谷」のLED幕をだした西武6000系と、「普通 小手指」行き・東京メトロ10000系が並んでいるなんて誰が想像したでしょうか。
まずは、所沢から池袋行き西武30000系に乗車。
三鷹に行くには、国分寺経由か、はたまた池袋線・新宿線の途中駅からバスで中央線の駅に出るのが近いですので、いろいろ考えましたが、三鷹駅に乗り入れるのは、西武バスだと2系統のみで、あとはトロピカルバスこと関東バス。ただ、関東バスだと急行停車駅からは乗れないので、ひばりヶ丘駅から西武バスに乗ることにしました。
ひばりヶ丘駅から少しの間は、狭隘路線マニアにはたまらない狭い道を走ります。
途中のT字路にはなんと誘導員も。
時間にして30分くらいで三鷹駅北口に到着。
まずは南口へ出て、玉川上水沿いを散策。
しばらく歩くと、歩道の植え込みに、ごつごつした石が置かれ、その横にはプレートが。
太宰治の出身地、青森県金木町(現在は五所川原市)産の「玉鹿石」を使った無銘碑があります。
ここが、1948年6月13日、太宰治が山崎富栄と共に入水した地点だといわれています。
入水したのは、午後11時30分以降と推定されています。
軽く手を合わせて、さらに南下。「みたか井心亭」に到着。
ここには、太宰邸跡から、サルスベリの木が移植されています。
…東京にめづらしくその日、俄雨があり、夫は、リユツクを背負ひ靴をはいて、玄関の式台に腰をおろし、とてもいらいらしてゐるやうに顔をしかめながら、雨のやむのを待ち、ふいと一言、
「さるすべりは、これは、一年置きに咲くものかしら。」
と呟きました。
玄関の前の百日紅は、ことしは花が咲きませんでした。
「さうなんでせうね。」
私もぼんやり答へました。
それが、夫と交した最後の夫婦らしい親しい会話でございました。太宰治「おさん」より
(筑摩書房「太宰治全集」第9巻 P.283)
サルスベリが咲く8月頃に、ぜひまた来てみたいと思います。
強風が吹きすさぶ中、さらに黙々と歩き、太宰の墓がある禅林寺に到着しました。
お正月なのに誰もいない境内を突き進み、左手から本堂の裏手に回るとそこに墓地があります。
有名な話ですが、太宰治の墓は、森鴎外の墓の向かいにあります。
十数年ぶりの再会です。
手を合わせていたら、太宰から笑われたような気がしました。
もっと、悩め。
もっと、熱くなれ。
もっと、楽しめ。
わかってるって。修治くん。
僕は君より長生きしてるから、もっと人生を楽しむよ。
それに、これからだよ。楽しくなるのは。きっとね。
コメント
どうも、呼びましたか(笑)
狭隘路線ヲタでトロピカル大好きのRYOです♪
西武線の駅前は狭いところも多いですね。ハァハァしていまいます。
ということで、今年もよろしくです。
RYO さん >
呼んだ!呼んだ!(笑)
あなたをイメージしながら書いたから。
西武の駅前はどこも萌えますね。
西東京市(田無・保谷)は特にいいです。
今年もよろしくお願いします!!
こんばんは。
次に巡礼にいらっしゃる時は、ぜひ、事前にご一報くださいませ。
太宰が通ったお寿司屋さん今はもうありませんが、
ゆかりの地でぜひ一緒に飲みましょう。
それにしてもお墓、行った事ないなあ。
井心亭では毎月、落語会が開かれていて、花緑、志らくなどの若手の噺家の落語をお座敷できけますよ。大人気なので、チケット発売と同時に売り切れます。8月はまだ発表されていませんが、もし予定があったらぜひどうぞ。
もえぎ さん >
ぜひご一緒にお酒飲みたいです~。
三鷹駅近く(太宰横丁あたり?)でやりましょう。
本当に連絡しますからね(笑)。
今回は、伊勢元酒店跡の「文学サロン」も休館日だったし、風が強くて寒かったので、陸橋にも行かずじまいでした。
今度は太宰と同じポーズで陸橋の上で写真とりますので(笑)。