★注:
タイトルと本文内に「アクサン・グラーヴのついたe」が使われています。
ブラウザによって、また携帯からご覧になった場合、「Saint-Ex, La fin du mystre」と表示される場合がありますが、「mystre」の「t」と「r」の間に「アクサン・グラーヴのついたe」が入ります。
ジュンク堂書店仙台店で、おもしろそうな本を見つけてしまいました。
サン=テグジュペリは、私の大好きな小説家の一人。
とはいえ、「星の王子さま」だけで彼を語られるのは不満。
「人間の土地」や「夜間飛行」を読んでから語ってよ、といつも思います。
で、彼は1944年7月31日にコルシカからロッキードP-38ライトニングで偵察飛行に飛び立って、そのまま消息を絶ちました。ドイツ軍機に撃墜された、とか、機体の故障とか、いろいろ言われていますが、60年もの間、謎に包まれたままでした。
1998年にマルセイユの漁師が、サン=テグジュペリの名前入りブレスレットを引き上げたことから、話が展開していきます。その後、2004年の機体公式確認に至るまでの捜索の経緯、ブレスレットの真贋論争、遺族との訴訟合戦など、引き込まれるように読んでしまいました。
特に、最先端の技術や機器を投入した機体の捜索と、その残骸の「機種機番」特定のための検証作業が非常にスリリングでおもしろかったです。
ただ、帯のコピー=「世紀のミステリー」というのは言いすぎ。
ついでに言えば、原題は「Saint-Ex, La fin du mystère」(サン=テックス、ミステリーの終わり/「サン=テックス」とは、サン=テグジュペリの愛称です)。「星の王子さま」は関係ないでしょう。邦題と表紙デザインが、迫力あるノンフィクションを台無しにしているような気がします。
イラストに騙されて、「星の王子さま」しか知らない人が読んだら、きっとつまらないのでは?
サン=テグジュペリが本当に好きな人にお薦めします。
箱根の「星の王子様ミュージアム」にも、P-38ライトニングがぶら下がっていたことを思い出しました。
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事実は小説より奇なり
貴重な記録です
ひたすら潜る
コメント
なかなか相変わらず、マニアネタで興味をそそるエントリーですね。
私はというと、スピーカーから発せられる自分の美声に聞き惚れている、今日この頃です。
じなん さん >
「美声」かよ(笑)。
本番まで、声、からさないでね。