道頓堀川に投げ込まれた、KFCのカーネルサンダース人形が発見された、というニュースがありました。これで、「カーネルの呪い」も解けるとか、バカなことをまじめに話しているこの国は、ホントに平和でいいですね。
でも、この話、あんまり平和じゃないんです。
今回、カーネルサンダース人形は、どうして見つかったのか???
最初に自分が読んだ記事は、Yahoo Japan のこの記事(↓)。
24年ぶりに帰ってきた!道頓堀川でカーネルサンダース人形発見(産経新聞) – Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090310-00000566-san-soci
この記事では、
市によると、10日午後4時ごろ、磁気探査作業中に障害物を見つけ、ダイバーが引き揚げたところ、カーネルサンダース人形の上半身だったことが判明。
とあります。道頓堀川の遊歩道整備事業のために河川工事を行う一環として、「磁気探査」を行っていたところ、偶然人形が見つかったのですが、私はこの「磁気探査」に引っかかりました。
…これって、不発弾調査じゃん。
その後読んだ別な記事では、
人形は午後4時ごろ、河川工事で不発弾調査中のダイバーが見つけた。
(毎日jp の記事より)
と、はっきり書いてありました。
磁気探査を行っている専門の業者、日本ジタン株式会社のホームページによれば、「第2次世界大戦における日米双方がもたらした、機雷・爆弾・砲弾等の危険物が、未だに港湾工事の障害となっており、その対策として、帯磁物の磁気の強さ・位置を適確に把握するために磁気探査を用います」とあります。
60年以上前の戦争の残滓は、今だに私たちの日常の中に潜んでいるんですね。
この磁気探査、非常にお金がかかるものらしく、沖タイのこの記事によれば、「百平方メートル程度の更地でも数十万円」にもなるとのこと。
道頓堀川の工事は公共工事なので、大阪市がお金を出しているのですが、民間の工事であれば、この磁気探査コストは当然施工主の持ち出しとなります。今年1月14日に重軽傷者2名を出した沖縄・糸満市の不発弾爆発事故は、この磁気探査コストをケチった結果発生してしまいました。
戦争は国が行ったものです。ですから、不発弾処理費用は、国が全額負担するというのは当たり前。
ところがこの国は公共工事以外の費用負担は一切否定的。しかし、激戦地だった沖縄では、「全ての不発弾処理にはあと84年かかる」(上原糸満市長談→この記事より)らしいし、石垣市ですら、23トン・1,144個の不発弾が処理されているといいます(→この記事より)。
戦争は未だ終わっていないのです。
ヘドロまみれのカーネルサンダースの写真を見ながら、考えさせられました。
でも、「探偵!ナイトスクープ」で調査したとき、なんで見つからなかったんだ???
2回くらい探してたよね[E:bleah]