今年は生誕100年のメモリアルイヤーなので、喧しいほどの報道があふれていますから、特に書く気もおきません。騒がしくするのも太宰にすれば嬉しいかもしれませんが、自分としてはあまり騒ぎ立てたくもないので、まあそっとさくらんぼをつまんで焼酎を呑んでます。
それにしても、今朝の某紙のコラムは…。どうしてこうなっちゃうのかなあ。
「彼の出身地の青森は、山形に次ぐ桜桃の産地です。桜桃を食べながら、青森を出て一時は左翼運動にも加わった自身の半生を、ふりかえることはなかったのでしょうか。」
太宰の生き方について、それを諸手を挙げて素晴らしいと述べる人はそういないでしょう。
太宰文学が大好きな自分だって、彼の生き方、という点では、共感しかねることだらけです。
それをあえて、文章にするのはどうなの。
みんなが当たり前に思うことを、そのまま文章にするのは、物書きとしてどうなの。
と、思いながら、このコラムを読みました。
当たり前に思うことをそのまま表現する、ということについては、過去にも再三書いてきましたけど、そういうのは嫌いなんです。ズルいと思うし。
でも、まさか、某紙のコラムでそんな安直な文章を書かれるとは思いませんでした。
……
話は変わって、夕方クルマの中で聴いていたラジオから、コブクロの7月15日リリース予定の新曲「STAY」がオンエアされてました。
普通に聴き流していたのですが、「柳の木の下」とか、「僕の名前を呼んでくれた」とか…って詩が耳に入ってきました。
ん?これ、アンデルセンの『柳の木の下で』がモチーフなのかな??? だとしたら、ちょっと感動です。自分の大好きな、いや飽きるほど読んで、ぐちゃぐちゃになった名作ですから。
■『柳の木の下で』 については、こちらのエントリーも。
その30分後、今度は「スパルタンX」なんてかけやがって…[E:crying] 数々の名シーンが頭をよぎり、涙があふれちゃいました。
コメント
生誕100年
桜桃忌に想う 今年は生誕100年のメモリアルイヤーなので、喧しいほどの報道があふ…
私は彼のことはあまり良く知りませんが、テレビのニュースで彼の墓標に桜桃を埋め込む(?)ファンの姿を見ながら、billancourtさんは何を想うのか…と考えていたところでした。
じなん さん >
桜桃を埋め込む…のが、最近の風物詩になっちゃってますけど、あれはどうも…ぞっとしないですね。
「桜桃」を読みながら、「子どもより親が大事」と嘯いて、佐藤錦をつまみつつ、焼酎を呑むのが粋なのではないかと。