魂の叫び

TBCスペシャル
「ヒロシマから離れて… ~仙台の被爆者 木村緋紗子さん 魂の叫び~」

 http://www.tbc-sendai.co.jp/03tv/hiroshima/index.html

木村さんに初めてお会いしたのは16年前の夏でした。
今と変わらず、一目会ったら絶対忘れない髪の色と、強い口調。

被爆体験を語りながら、「本当は、私はこんなこと話したくないんです!」と言われたとき、被爆者の話を聞く時の態度について、学びました。

その後、広島市内を一緒に歩いたこともあります。ご自分が被爆した正確な場所を探していた、と記憶しています。

あらためて、核兵器廃絶のために、被爆体験を語り継ぐ「義務」が私たちにはあるんだ、とTVを見ながら痛切に感じています。

その前にまず、明日の朝、木村さんに電話しなきゃ。



呼びかけ

いまでもおそくはない
あなたのほんとうの力をふるい起すのはおそくはない
あの日、網膜を灼く閃光につらぬかれた心の傷手から
したたりやまぬ涙をあなたがもつなら
いまもその裂目から どくどくと戦争を呪う血膿をしたたらせる
ひろしまの体臭をあなたがもつなら

焔の迫ったおも屋の下から
両手を出してもがく妹を捨て
焦げた衣服のきれはしで恥部をおおうこともなく
赤むけの両腕をむねにたらし
火をふくんだ裸足でよろよろと
照り返す瓦礫の沙漠を
なぐさめられることのない旅にさまよい出た
ほんとうのあなたが

その異形の腕をたかくさしのべ
おなじ多くの腕とともに
また墜ちかかろうとする
呪いの太陽を支えるのは
いまからでもおそくはない

戦争を厭いながらたたずむ
すべての優しい人々の涙腺を
死の烙印をせおうあなたの背中で塞ぎ
おずおずとたれたその手を
あなたの赤むけの両掌で
しっかりと握りあわせるのは
さあ
いまでもおそくはない

峠三吉「原爆詩集」(青木文庫版)P.121より

コメント

  1. はっちい より:

     私も木村緋紗子さんのお話を聞いた時、大変な衝撃を受けたことは今でも覚えています。そんな木村さんが、今なお元気でご活躍され、ニューヨークに行って来られたときき、励まされたとともに、現在ほとんど平和運動をしていない自分を恥ずかしく思いました。
     日本のマスコミはほとんど報道していませんが、世界は着実に核兵器廃絶の道を歩みつつある。その道をもっと大きなものにしていかなければいけないと思います。
     しかし、この番組、全国ネットで放送してくれないかなあ。

  2. billancourt より:

    はっちい さん >
    とてもいい番組でした。
    TBCがこういう番組をゴールデンタイムに放送したことに、大きな拍手を差し上げたいです。
    もしご覧になりたい場合は、メールください。

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